ECサイトにおいて、一元管理システムとは、複数の販売チャネルや業務工程に分散して発生する情報をまとめて管理し、常に最新かつ正確なデータを全体で共有するための仕組みです。現在のECサイト運営では、以下のようなチャネルを複数運営するケースが一般的です。
◆ECサイト運営で運営するチャネル
・自社ECサイト
・Amazon
・楽天市場
・Yahoo!ショッピング
・TikTok Shop
・実店舗
このような複数チャネルの情報を個別管理していると、担当者はそれぞれのチャネルを運営する手間や在庫管理の負荷が増えるだけでなく、受発注のミスが生じやすくなり、EC事業の売上の頭打ちにもつながります。
そこで「一元管理システム」を導入することで、各販売チャネルの情報をまとめて管理でき、EC運営全体を同じデータを基準に進められるようになります。具体的には、受注情報、在庫情報、商品情報、顧客情報、購入履歴といったECサイト運営に関わる情報を一つのシステム上で統合管理することが可能になります。
結果として業務効率が大きく向上し、EC担当者は空いた時間で顧客と向き合ったり、マーケティング施策や商品企画に注力できる体制をつくることができます。
このようなEC運営における一元管理システムの導入にあたって、「スマレジEC・一元管理」は最適な選択肢の一つです。複数チャネルに分散しがちな受注や在庫情報をまとめて管理でき、EC運営の基盤を整える手段として活用できます。
本日は、スマレジECでマーケティングを担当している筆者が、ECサイト運営における「一元管理システム」について詳しく解説します。実際にシステムを提供するベンダー7社の紹介のほか、仕組みや目的、導入方法まで、一限管理システムについて網羅的に解説する記事となっています。
一元管理システムで導入コストが2分の1になったコストカット事例
下記は、「スマレジEC・一元管理」を導入したアパレルEC企業の事例です。
自社サイトだけでなく、楽天市場やヤフーショッピングなどモールにも出店しており、各店舗を一元管理したい。
さらに、手動で実施していた購入者へのメール配信をシステム化することにより、その作業にかかる労力を削減したいという考えがありました。
(中略)
「スマレジEC・一元管理」だけで完結できるため、導入コストを約2分の1に削減できました。
また、顧客の購買実績に応じてメール内のコンテンツを出し分けるなど、顧客のセグメント毎に最適なアプローチが、最小限の労力とコストで可能となりました。
引用:【スマレジEC・一元管理導入事例】株式会社ドラフト(Dcollection)
アパレルECを運営する株式会社ドラフトでは、自社ECと複数のモールを併用する中で、店舗ごとの個別管理や、購入者対応を手作業で行っている点に課題を抱えていました。
そこで、スマレジEC・一元管理を導入したことにより、受注・顧客管理を一つの仕組みにまとめ、外部ツールを組み合わせることなく運用を完結することができまいた。結果として、システム全体の導入コストを約2分の1に抑えながら、販促施策の高度化も実現しています。
この事例から、一元管理システムの価値が「業務をまとめること」そのものではなく、無理なく運用できる構成でコストと手間の両方を削減できる点にあるということが分かります。特に、アパレルECのようにチャネル数が増えやすい業種では、運営全体を見渡せるシステムを活用することが成果に直結しやすいと言えるでしょう。
ECサイトで一元管理システムを提供しているベンダー7社比較
それでは、まずECサイトにおいて一元管理システムを提供している代表的な7社を紹介いたします。
◆一元管理システムのベンダー7社
| サービス名 |
主な強み |
料金体系の特徴 |
向いている事業者 |
| ①スマレジEC・一元管理 |
・通販(リピート施策)向けの機能が豊富
・CRM機能を内蔵
・ステップメールなど販促機能が充実
・受注データを元に顧客層や動向を分析可能
・出荷に必要な帳票のまとめ出力対応 |
プラン別月額課金 |
単品通販/LTV重視 |
| ②ネクストエンジン |
・連携モール/物流が非常に多い
・API公開&アプリで機能拡張可能
・導入実績が圧倒的 |
受注件数ベース課金 |
多モール展開/EC専任担当がいる中〜大規模事業者 |
| ③TENPOSTAR(テンポスター) |
・ヤフオク連携が強い
・在庫同期スピードが比較的速い
・価格がやや抑えめ |
商品点数+受注件数ベース課金 |
ヤフオク比重が高い/在庫点数が少ない事業者 |
| ④クロスモール |
・連携モール数課金で大量受注に強い
・アイル社POSと親和性が高い
・アパレル業界に強い |
連携モール数ベース課金 |
受注数が多くモール数が少ない/POS連携重視 |
| ⑤助ネコ |
・サポート対応が手厚い
・UIが分かりやすい
・中小向けにバランスが良い |
月額固定(機能により従量課金) |
中小規模EC/サポート重視 |
| ⑥GoQSystem(ゴクーシステム) |
・料金が固定で予算管理しやすい
・LINEサポートあり |
固定費(月額+初期費用) |
中〜大規模EC/コストを固定化したい事業者 |
| ⑦タテンポガイド |
・大企業向け設計
・個別開発に柔軟
・無料トライアル期間が長い(最大3ヶ月) |
受注件数ベース課金 |
大手EC/本格導入前に検証したい企業 |
参考:スマレジEC・一元管理、ネクストエンジン、TENPOSTAR、クロスモール、助ネコ、GoQSystem、タテンポガイド
一元管理システムは、「どの業務を」「どの粒度で」「どこまで一つにまとめるか」を整理するためのツールです。受注件数が多くスピードを最優先したい事業者もいれば、連携先の多さや拡張性を重視する事業者もいます。また、運営体制や社内リソースによっては、サポートの手厚さや操作性を重視するケースもあります。
一覧表を見て分かる通り、一元管理システムはそれぞれ設計思想が異なり、得意とする業務範囲や想定規模もさまざまです。そのため、機能の数だけで比較するのではなく、「自社のEC運営がどこで負荷を感じているのか」「今後どの領域を強化したいのか」を軸に選定することが重要になります。
特に、受注・在庫の効率化にとどまらず、顧客対応や販促まで含めて運営全体を見直したい場合は、この視点を持って比較することで、導入後のミスマッチを防ぎやすくなります。
中でもスマレジEC・一元管理は、受注や在庫管理を基盤としながら、顧客データを活用した施策までを一つの流れで考えたい事業者にとって、現実的でバランスの取れた選択肢と言えます。EC運営を複雑にしすぎず、次の施策につなげていくための土台として活用することができるシステムです。
ECにおける「一元管理システム」の仕組み
それでは、これから一元管理システムを導入しようと考えている方向けに、一元管理システムの仕組みについて詳しく解説します。
まず、EC事業者は、売上を伸ばすために自社ECサイトだけではなく、多くのチャネル(楽天市場やAmazonなど)に出店する必要があります。しかし、一元管理システムを導入していない場合、モールや自社ECサイト、あるいは電話注文といった各チャネルごとに、受注管理や在庫管理、顧客管理を個別に行う必要があり、運用負荷が高まりやすくなります。
そこで一元管理システムを導入することで、これらの情報を共通の基盤で一括で管理できるようになり、チャネルごとに分断されていた各情報を横断的に把握できる体制を構築することができます。下図をご覧ください。
◆一般的な一元管理システムの仕組み

※画像は筆者が作成
このように、一元管理システムによって、個別のチャネルごとに必要な業務を一括して管理できるようになるため、業務効率を減らし、少数の担当者だけでECサイト運営に取り組むことができるようになります。結果として、ECサイトのバックエンド業務全体が効率化し、ECサイトの集客やマーケティング施策に力を注ぎ、顧客に向き合う時間や余力を作ることができるようになるのです。
下記のスマレジEC・一元管理の公式サイトでは、システムの導入によりEC運営の効率化を実現した多くの事例が掲載されていますので、ぜひ導入検討の参考にご覧ください。
一元管理システムの3つの構築方法
先ほどクラウド型の一元管理システムのベンダーを7社紹介しましたが、ここでは一元管理システムを導入する際、どのように構築すべきかについて、代表的な3つの構築方法を解説します。
◆3つの構築方法と簡易比較表
①クラウド型
②パッケージ型
③フルスクラッチ型
| 構築方法 |
概要 |
導入スピード |
初期費用 |
カスタマイズ性 |
保守・運用コスト |
| ①クラウド型 |
ベンダーが提供するクラウドサービスを利用して構築 |
◎ |
◯ |
✕ |
◎ |
| ②パッケージ型 |
パッケージを導入し個別にカスタマイズ |
△ |
◯ |
◯ |
△ |
| ③フルスクラッチ型 |
要件定義からすべて自社専用で開発 |
✕ |
✕ |
◎ |
✕ |
クラウド型であれば、すぐに導入ができ費用感も安くすみます。しかし、パッケージ型やフルスクラッチ型のようにカスタマイズができません。例えば、楽天市場やAmazonのようなメジャーなモールではなく、業界に特化したニッチなモール(API連携も難しい場合)になると、クラウド型ではこのようなニッチなモールと連携できる可能性は低くなります。
しかし、パッケージ型やフルスクラッチ型であれば、あらゆるカスタマイズやシステム連携を模索できるので、予算と工数を確保すれば、連携できない連携先はないのです。
しかし、そもそも一括管理システムは、すでに楽天市場やAmazon、Qoo10、TikTok Shopなどの主要なモールとの連携を前提に作られているため、小規模事業者から大手までクラウド型で対応できるケースがほとんどです。
また、例えばクラウド型の「スマレジEC・一元管理」はAPI連携ができるため、API連携前提であればモールだけではなく基幹システムや会計システムなどの社内システムとも連携可能となるのです。
つまり、社内システムと複雑な連携を前提にしない場合は、クラウド型の一括管理システムを導入すべきなのです。
一元管理システムを導入する5つの目的
ここでは、一括管理システムを導入する5つの目的について解説します。
目的①業務効率を高めるため
一元管理システムを導入する大きな目的の一つが、EC運営における業務効率の向上です。現在のEC事業では、自社ECサイトに加え、楽天市場やAmazonなど複数の販売チャネルを運営するのが一般的です。
その結果、受注処理や在庫更新、商品情報の修正といった業務がチャネルごとに発生し、同じ作業を何度も繰り返す必要が生じます。チャネルが増えるほど業務量は膨らみ、バックエンド業務が現場の負担になりやすくなります。
一元管理システムを導入することで、受注情報や在庫情報を一つの画面でまとめて管理でき、チャネルごとに個別対応する必要がなくなります。これにより、日々の運用にかかる時間と工数を削減でき、限られた人員でも安定したEC運営が可能になります。
結果として、集客施策やマーケティング、商品企画といった、売上に直結する業務へリソースを配分できる体制を構築できるようになります。
目的②在庫管理を徹底するため
在庫管理は単なるバックエンド業務ではなく、売上と顧客満足度の両方に直結する重要な業務です。複数の販売チャネルを運営しているEC事業では、在庫を個別に管理していると在庫数のズレが発生しやすくなります。
在庫更新が追いつかず欠品した商品を販売してしまえば、キャンセル対応やクレームにつながります。一方で、在庫があるにもかかわらず在庫切れ表示のままでは、本来得られるはずだった売上を逃してしまいます。こうした在庫管理の不備は、売上だけでなく、顧客の信頼にも影響します。
一元管理システムを導入することで、各販売チャネルの在庫情報をリアルタイムに近い形で同期させることができ、どのチャネルで商品が売れても在庫数が自動的に更新されるようになります。これにより、欠品や過剰在庫のリスクを抑えやすくなり、安定したEC運営が可能になります。在庫管理を徹底することは、EC事業における「守り」だけでなく、売上機会を逃さない「攻め」にもつながる取り組みです。
なお、受注量の多いEC事業者の場合は、「在庫同期ができるか」だけでなく、在庫がどれだけ速く同期されるかも重要な判断軸となります。
目的③担当者の属人化を防ぐため
ECサイト運営では、受注処理や在庫調整、商品登録といった業務が特定の担当者に依存してしまうケースが少なくありません。こうした属人化が進むと、担当者が不在になっただけで業務が滞り、安定した運営が難しくなります。
業務内容が特定の担当者の経験や記憶に依存している状態では、引き継ぎや教育が進まず、組織としての運営リスクが高まります。急な欠勤や退職が発生した場合、受注処理や在庫更新の遅れが顧客対応や売上に影響する可能性もあります。
一元管理システムを導入することで、受注・在庫・顧客情報を一つの基盤で管理でき、業務の進捗や内容をチーム全体で共有しやすくなります。業務をシステム基準で進められるようになるため、特定の担当者に依存しない運営体制を構築できます。
また、業務が可視化・標準化されることで、担当者の交代や増員時の引き継ぎもスムーズになります。人が変わっても業務品質を維持しやすくなり、EC事業を安定的に継続できる体制づくりにつながります。
目的④データに基づいたECサイト運営を実施するため
ECサイト運営では、経験や勘に頼った判断だけでは、継続的な売上成長を実現しにくくなっています。特に複数の販売チャネルを運営している場合、売上や在庫、顧客情報が分散していると全体像を把握できず、感覚的な意思決定に陥りやすくなります。その結果、注力すべき商品やチャネルを見誤り、売上の伸び悩みにつながることがあります。
一元管理システムを導入すれば、受注情報・在庫情報・顧客情報・購入履歴といったデータを一つの基盤に集約できます。これにより、チャネル横断での売上状況や顧客の購買傾向を把握しやすくなり、データを根拠とした判断が可能になります。
データに基づいた運営ができるようになると、仕入れ量の調整や販促施策の改善、商品ラインナップの見直しといった具体的なアクションにつなげやすくなります。また、データを一元化しておくことで、将来的に需要予測や施策検討など、AI活用を視野に入れたEC運営にも発展させやすくなります。
目的⑤オムニチャネル化の推進のため
オムニチャネルとは、ECサイトや実店舗、モール、SNSなど、複数の販売チャネルを単に並列で運営するのではなく、すべてのチャネルを連携させ、顧客にとって一貫した購買体験を提供する考え方です。チャネルごとに情報や体験が分断されている状態ではなく、どの接点からでも同じブランド体験を提供できる状態を指します。
例えば、ECサイトで商品を見ていた顧客が実店舗で商品を購入したり、実店舗で会員登録した顧客が後日ECサイトで同じアカウントを使って購入したりする購買行動です。このような購買行動は、今後ますます一般的になっていくと考えられています。
しかし、オムニチャネルを実現するためには、受注情報、在庫情報、顧客情報といったデータがチャネルごとに分断されていては成立しません。ECサイトと実店舗で在庫情報が共有されていなければ、店舗受取や在庫確認といった顧客体験を提供することができず、結果として顧客の期待を裏切ることになります。
一元管理システムを導入すれば、ECサイトやモール、実店舗のデータを横断的に管理できるようになり、チャネルをまたいだ情報連携が可能となります。その結果、在庫の一元管理や顧客情報の統合が実現し、オムニチャネル施策を実行するためのデータ基盤を整えることができます。
アパレル業界を例に挙げると、ECで売上上位に気を配る企業の多くが、すでにオムニチャネルに取り組んでいます。オムニチャネルを通じて顧客を囲い込み、ブランドに対する信頼感を高め、リピート購入を促進していかなければ、Amazonや楽天市場などのモールに対抗することは難しくなります。結果として、価格競争に巻き込まれ、ブランド価値が徐々に低下していく可能性もあります。
こうした背景から、多くの日本企業にとって、オムニチャネルの推進は避けて通れない取り組みとなっているのです。
一元管理システムで管理する7つのデータ
一元管理システムでは、ECサイトやモール、実店舗など、複数のチャネルで発生するさまざまなデータを共通の基盤で扱うことが可能です。ここでは、一元管理システムで管理できるデータにはどんなものがあるのかについて解説します。主要な7つのデータを一覧にまとめましたのでご覧ください。
◆一元管理システムで管理できる主なデータ一覧
| データ種別 |
概要 |
管理できる主なデータ内容(例) |
| ①商品データ |
自社ECやモールで販売する商品の基本情報を管理するデータ |
商品名/商品コード/SKU/価格/税区分/販売可否/チャネル別商品設定 など |
| ②受注データ |
各販売チャネルで発生した注文情報を一元管理するデータ |
注文番号/受注日時/注文ステータス/購入商品・数量/支払方法/配送先情報 など |
| ③在庫データ |
商品・SKU単位の在庫状況を管理するデータ |
商品ごとの在庫数/SKU別在庫数/在庫引当状況/出荷状況/チャネル横断の在庫同期情報 など |
| ④顧客データ |
購入者・会員に関する情報を管理するデータ |
顧客ID/氏名/メールアドレス/住所/電話番号/会員情報/購入履歴 など |
| ⑤売上データ |
受注データをもとに集計される売上関連データ |
チャネル別売上/期間別売上/商品別売上/支払方法別売上 など |
| ⑥メール・コミュニケーションデータ |
顧客との連絡や販促施策に関するデータ |
メール送信履歴/ステップメール配信状況/顧客ごとの配信履歴 など |
| ⑦分析データ |
各種データを集計・可視化した分析用データ |
チャネル横断の売上分析/商品別・顧客別の購買傾向分析/期間比較データ など |
これら7つのデータを一元的に管理することで、チャネルごとに分断されていた情報をまとめて把握できるようになります。特に、売上データや分析データは、受注・商品・顧客データなどをもとに生成される集計情報であり、一元管理システムはEC運営におけるデータ活用の土台として機能します。
このようなデータ基盤が整うことで、業務効率の改善だけでなく、在庫最適化や販促施策の精度向上、オムニチャネル施策の推進など、EC事業全体の意思決定をデータに基づいて行えるようになります。
一元管理システムを導入する5つのステップ
一元管理システムは、ただ導入すれば効果が出るものではありません。自社のEC運営状況を整理し段階的に導入を進めることで、失敗リスクを抑えながら効果を最大化できます。ここでは、一元管理システムを導入する際の流れを5つのステップに分けて解説いたします。
ステップ①現在のEC運営フローを整理して課題を明確にする
まずは、自社ECサイトやモール、実店舗など、現在運営している販売チャネルと業務内容を洗い出します。受注管理、在庫管理、商品登録、顧客管理など、それぞれの業務が「どのシステムで」「どの担当者によって」行われているのかを整理することが重要です。
あわせて、各業務において「どのような機能が必要か」「どのシステムやモールと連携する必要があるか」も明確にしていきます。例えば、対応しているモールの種類、在庫同期のスピード、POSや会計システム、物流システムとの連携有無などを洗い出しておくことで、導入後のミスマッチを防ぐことができます。
これらの情報を事前にドキュメントとしてまとめておけば、自社の課題や要件が可視化され、一元管理システムを比較・検討する際にも判断がしやすくなります。最初に現状と要件を整理しておくことが、一元管理システム導入を成功させるための重要な第一歩となります。
ステップ②導入目的を明確にする
次に、「なぜ一元管理システムを導入するのか」という目的を明確にします。導入目的をはっきりさせておくことで、システム選定時の判断基準がぶれにくくなります。
導入目的は、現状の課題から導き出されます。例えば、1日あたりの注文数が100件を超えるEC事業者であれば、業務効率の向上が最優先課題となり、その場合は在庫同期のスピードや受注処理の自動化が重要な選定ポイントとなります。一方で、メジャーではないモールとの連携を課題としている場合は、その対象モールとの連携実績や柔軟性を重視すべきです。
このように、ステップ①で整理した現状と課題をもとに導入目的を明確にすることで、自社に合った一元管理システムを選びやすくなります。また、本記事ですでに解説した「一元管理システムを導入する5つの目的」も参考にしてみてください。
ステップ③ 一元管理システムに関する情報を収集する
導入目的や必要な機能が整理できたら、次に行うべきことは、一元管理システムに関する情報収集です。この段階では、特定のサービスに絞り込むのではなく、幅広く情報を集めることが重要です。
一元管理システムを提供しているベンダーを呼んで説明を受ける場合は、ホームページには掲載されていない情報を積極的に質問してみましょう。例えば、
「御社のサービスと競合であるA社との違いは何ですか」
「在庫の同期スピードはどの程度ですか」
「モールによって同期スピードに違いはありますか」
といった点は、実際の運用に大きく影響する重要なポイントです。
また、インターネットで複数のサービスを比較し、各サービスの機能や料金体系、対応しているモールや外部システムなどを確認することも有効です。あわせて、各サービスの公式ホームページを確認し、自社と事業規模や業種が近い導入事例を探すことで、導入後の活用イメージをより具体化することができます。
このように、実際に担当者から話を聞きながら情報収集を行うことで、サービスごとの違いや強み・弱みを把握しやすくなります。十分な情報収集を行うことが、次のシステム選定を成功させることにつながります。
ステップ④ 一元管理システムを選定・比較する
ステップ③までに集めた情報をもとに、候補となる一元管理システムを比較・検討していきます。機能の多さや知名度だけでなく、自社の課題や導入目的に合っているかを軸に選定することが重要です。
業務効率化を最優先とする場合は、受注処理の自動化や在庫同期のスピード、操作画面の分かりやすさを重視すべきです。一方で、特定のモールや外部システムとの連携が課題であれば、その連携実績や対応の柔軟性を確認する必要があります。
料金体系も慎重に確認しましょう。受注件数連動型や月額固定型など、サービスによって異なります。現在の規模だけでなく、将来的な受注増加を想定したコストシミュレーションを行うことをおすすめします。
また、導入後のサポート体制や運用フォローについても確認しておきましょう。サポート内容の全てが把握できなくても、担当者の対応や説明の仕方から、自社との相性を判断することはできます。このように複数の観点から比較・検討し、自社に最適なサービスを選定することが、導入成功の確率を高めることにつながります。
ステップ⑤ 導入方法を決めて運用を開始する
一元管理システムの導入方法には、大きく分けて「一括導入」と「段階的導入」の2つがあります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の状況に合わせて選択することが重要です。
◆2つの導入方法
| 導入方法 |
概要 |
メリット |
デメリット |
向いている事業者 |
| 一括導入 |
既存の運用から一元管理システムへ、特定のタイミングで一気に切り替える方法 |
・移行期間が短い
・二重運用が発生しない
・導入コストを抑えやすい |
・トラブル発生時の影響範囲が大きい
・事前準備が不十分だと現場が混乱しやすい |
・中小規模EC
・業務フローが比較的シンプルな事業者 |
| 段階的導入 |
一部のチャネルや業務から導入し、徐々に対象範囲を広げていく方法 |
・トラブル時の影響を限定できる
・現場が慣れながら導入できる
・改善しながら展開できる |
・導入完了まで時間がかかる
・一定期間は二重管理が発生する |
・複数チャネルを運営しているEC
・慎重に導入を進めたい事業者 |
近年のクラウド型一元管理システムは、スモールスタートに対応しているものが多く、まずは最小限のチャネルや機能から導入し、運用を見ながら拡張していく方法が主流となっています。自社のEC運営体制やITリテラシー、業務を止められる許容範囲を踏まえたうえで、無理のない導入方法を選ぶことが重要です。
一元管理システムは、導入して終わりではなく、運用しながら改善していくことで効果を発揮します。現場に定着させることを意識しながら運用を進めることで、業務効率化や売上向上といった成果につなげることができるのです。
クラウド型であれば最新のトレンドにも自動で対応可能
EC事業を取り巻く環境は、年々変化のスピードを増しています。その変化は、新しい販売チャネルや業務サービス、決済手段の登場、あるいは法制度・税制の変更など、EC運営に影響を与える要素は多岐にわたります。
こうした変化に対して、個別にシステムを改修し続ける運用は、コストや工数の面で現実的とは言えません。特にパッケージ型やフルスクラッチ型の場合、仕様変更のたびに開発対応が必要となり、結果として変化への対応が遅れてしまう場合も少なくありません。
その点、クラウド型の一元管理システムであれば、制度変更や外部環境の変化、新しいサービスへの対応を、サービス提供側がアップデートとして自動で対応します。利用企業は自ら開発を行うことなく、常に最新の環境を前提とした運用が可能となるため、変化の激しいEC市場においても柔軟に対応し続けることができます。
このようなクラウド型の強みを示す具体例の一つとして、弊社が提供するスマレジEC・一元管理も、2025年12月よりTikTokが提供するEC機能「TikTok Shop」との連携を開始しました。
国内で提供が始まったばかりのTikTok Shopは、動画やライブ配信を起点に購買へつなげる新しい販売チャネルとして注目を集めています。スマレジEC・一元管理では、このTikTok Shopで発生する受注や在庫情報を、既存のECサイトやモールと同様に一元管理できるようになりました。
このように、クラウド型なら新しい販売チャネルが登場しても、個別に仕組みを作り直す必要はありません。クラウド型であるからこそ、こうした最新トレンドにもアップデートとして自然に対応でき、EC事業者は販売機会の拡大に集中できる体制を維持できます。
参考:スマレジEC・一元管理がTikTok Shopと連携を開始
効率的なEC運営の基盤として「一元管理システム」を活用しよう
EC事業を成長させていくうえで、受注・在庫・顧客といった各種情報をチャネルごとに個別管理する運営には、どうしても限界があります。チャネルが増えるほど業務は複雑化し、手作業や属人的な運用が増え、結果として現場の負担やミスのリスクも高まります。こうした課題を解消するためにも、EC運営の基盤として一元管理システムの導入は不可欠です。
一元管理システムを活用すれば、複数チャネルに分散していた商品・受注・在庫・顧客データをまとめて管理でき、業務効率の向上だけでなく、データに基づいた意思決定やオムニチャネル施策の推進にもつなげることができます。
弊社が提供するクラウド型EC管理システム「スマレジEC・一元管理」は、主要モールやECサイトとの連携を前提としたクラウド型の一元管理システムとして、受注・在庫管理から顧客管理、販促・分析までを一つの仕組みで支えます。
クラウド型であるため、環境変化や新しいトレンドにもアップデートで対応でき、EC運営を複雑にしすぎずに拡張していける点も特長です。
スマレジEC・一元管理の具体的な機能や導入事例については、下記の公式サイトで詳しく紹介されています。資料のダウンロードも可能ですので、導入に向けての情報収集にお役立てください。