Amazon在庫管理の2つの方式と複数チャネルでの運用法

Amazon在庫管理の2つの方式と複数チャネルでの運用法

Amazonで商品を出品しているものの、「在庫管理をどうすればよいのかわからない」「在庫数が合わない」「管理が煩雑になってきた」と悩んでいる事業者の方も多いのではないでしょうか。実際に、Amazon特有の仕組みや出荷方式を正しく理解できていないまま運用している事業者も少なくありません。

Amazonの在庫管理・出荷方式には、主に以下の2種類があります。

◆Amazonにおける在庫管理・出荷方式の2つの方式

①FBA(フルフィルメント by Amazon)
Amazonの倉庫に商品を預け、保管・出荷・配送・カスタマー対応までをAmazonが代行する方式

②FBM(自己発送)
自社倉庫や外部倉庫で在庫を管理し、出荷を行う方式

どちらの方式を選ぶかによって、在庫の管理方法や運用フローは大きく異なります。Amazonの在庫管理においては、まずは、この違いを正しく理解することが重要になります。

ただし、Amazon単体であれば問題なく運用できていた在庫管理も、自社ECサイトや他モール、実店舗など複数の販売チャネルにまたがると、一気に複雑化します。チャネルごとに在庫を個別管理していると、更新遅延や在庫ズレが発生しやすく、担当者の負担も大きくなります。

このような課題を解決する手段として、在庫情報を一元的に管理できる「スマレジEC・一元管理」のようなシステムを導入することで、複数チャネルの在庫をまとめて管理する運用が可能になります。

クラウド型EC管理システム「スマレジEC・一元管理」

本日は、スマレジECでマーケティングを担当している筆者が、Amazonにおける在庫管理の基本から、FBAとFBMの違い、よくある課題、そして効率的に運用するための方法まで分かりやすく解説します。

Amazonにおける在庫管理の2つの方式「FBA」「FBM」

Amazonマーケットプレイス(以降Amazon)では、出品者が商品を販売する際、在庫管理および出荷の方法として大きく2つの方式が用意されています。

◆Amazonの在庫管理・出荷の方式

①FBA(フルフィルメント by Amazon)
②FBM(自己発送)

以下は、両者の違いを全体像として整理した図です。

◆FBAとFBMの違い

FBAとFBMの違い

※画像は筆者が作成

この図から分かるとおり、FBAとFBMでは「どこまでをAmazonが担うのか」「どこを出品者が対応するのか」といった点が大きく異なります。以下に、それぞれの仕組みを詳しく解説します。

①FBA(フルフィルメント by Amazon)

FBAとは、出品者が商品をAmazonの専用倉庫(フルフィルメントセンター)へ納品することで、その後の業務の多くをAmazonが代行する出荷方式です。販売元は自社ですが、発送元はAmazonになります。FBAでは、下記の流れで販売が行われます。

◆FBA(フルフィルメント by Amazon)の流れ

  1. 出品者が商品をAmazon倉庫へ納品
  2. Amazonが在庫を保管
  3. Amazonサイトで注文を受付
  4. Amazonがピッキング・梱包を実施
  5. Amazon指定の配送業者が商品を配送
  6. カスタマーサービスや返品対応もAmazonが一次対応

つまり、出品者が主に担うのは商品を仕入れてAmazon倉庫へ納品するところまでです。在庫保管、出荷作業、配送、顧客対応までをAmazonが一括して担うため、出品者は販売業務に集中しやすい点が、この方式の大きな特徴です。

②FBM(自己発送)

FBM(Fulfilled by Merchant:自己発送)は、出品者自身が在庫管理と出荷業務を行う方式です。FBMでは、下記の流れで業務が進みます。

◆FBM(自己発送)の流れ

  1. 出品者が自社倉庫または外部倉庫で商品を保管
  2. Amazonサイトで注文を受付
  3. 出品者がピッキング・梱包を実施
  4. 出品者が手配した配送業者で発送
  5. カスタマーサービス・返品対応も出品者が行う

FBAとは異なり、在庫の保管場所はAmazon倉庫ではなく、自社倉庫や委託倉庫、あるいは自宅が管理拠点となります。そのため、在庫数の管理、出荷タイミング、配送品質、返品対応までを自社でコントロールできる一方で、業務負担は大きくなりやすい点が特徴です。

2つの方式の違いを解説しましたが、重要なポイントは「在庫の管理主体がどこにあるか」という点です。

◆各方式の管理主体

・FBA:在庫はAmazon倉庫で管理される
・FBM:在庫は出品者側の倉庫で管理される

つまり、同じAmazon販売であっても、在庫数の把握方法や出荷指示の流れ、他チャネルとの在庫連携といった在庫管理の設計は、FBAとFBMで大きく異なるのです。

FBAとFBMのメリットと注意点

以下に、FBAとFBMのメリットや注意点をまとめましたので、どちらの方式が自社に適しているかを判断する際の参考にしてください。

◆FBAとFBMの比較表

項目 FBA(フルフィルメント by Amazon) FBM(自己発送)
メリット ・出荷、配送、返品対応をAmazonに任せられる
・Prime対象商品として販売できる
・配送品質が安定しやすい
・購入者からの信頼を得やすい
・自社倉庫や外部倉庫で在庫を管理できる
・出荷方法や配送業者を自由に選べる
・他チャネルと在庫を共有しやすい
注意点 ・保管手数料や出荷手数料が発生する
・長期在庫になるとコスト負担が増える
・他チャネルの在庫と連動しづらい
・出荷作業や配送管理が必要
・問い合わせや返品対応を自社で行う必要がある
・繁忙期は出荷業務がひっ迫する
・在庫更新の遅延が売り越しにつながりやすい
向いているケース ・Amazon販売が主軸の事業者
・出荷業務をできるだけ省力化したい場合
・少人数体制で運営している場合
・複数チャネルで販売している事業者
・既存の物流体制を活かしたい場合
・在庫を横断的に管理したい場合

FBAは、Amazon販売に特化することで高い利便性を発揮する一方、他チャネルとの在庫連携には制約が生じやすい方式です。FBMは、在庫や物流を自社主導で管理できる反面、出荷作業や在庫更新などの運用負荷が増えやすい特徴があります。

そのため、Amazon単体で完結する販売か、あるいは複数チャネルを横断した販売かによって、どちらの方式を採用するかが変わってきます。

Amazonの在庫管理に活用する「セラーセントラル」

Amazonで商品を出品・販売する際は、FBA・FBMいずれの方式においても「Amazonセラーセントラル」を利用して在庫管理を行います。

セラーセントラルとは、出品者がAmazon上での販売活動を管理するための専用管理画面です。在庫管理だけでなく、商品登録、注文管理、売上確認、広告運用など、Amazon出品に関わるあらゆる業務をここで行います。

◆Amazonセラーセントラルの仕組み

Amazonセラーセントラル

※画像は筆者が作成

セラーセントラルでは、主に以下のような業務を管理することができます。

◆セラーセントラルで管理できる主な業務

・商品登録:商品情報を登録・編集
・注文管理:受注や発送、返品処理
・在庫管理:在庫の補充・FBAの管理
・広告管理:広告の設定・管理
・売上分析:売上データの確認
・顧客サポート:メッセージ対応

引用:Amazon セラーセントラルとは

セラーセントラル上では、FBAとFBMで在庫の扱いが異なります。FBAの場合は、Amazon倉庫に保管されている在庫が「FBA在庫」として管理され、保管数、出荷可能数、予約在庫などが自動的に反映されます。

FBMの場合は、出品者自身が在庫数を登録・更新する必要があります。在庫の増減や出荷完了の反映を手動、または外部システム連携で行う点が特徴です。

セラーセントラルは、Amazon内の在庫管理において非常に重要な役割を果たしますが、その管理範囲は、あくまでAmazonという1つの販売チャネル内に限られます。例えば、自社ECサイトのほか楽天市場やYahoo!ショッピングなどのECモール、卸販売、実店舗などといった他チャネルの在庫情報は、セラーセントラルでは管理できません。

そのため、複数チャネルを運営している場合、Amazonの在庫と他チャネルの在庫を別々に管理する必要があるため、在庫情報が分断されやすくなります。最初はAmazon単体で販売していた事業者でも、販路拡大や売上成長、あるいは取扱商品の増加に伴い、在庫管理の負荷も大きくなっていきます。

セラーセントラルはAmazon運営に不可欠な管理画面である一方で、マルチチャネル全体の在庫管理まではカバーできないという点を理解しておくことが重要です。

Amazonの在庫管理における3つの課題

Amazonの在庫管理は、FBA・FBMのいずれにしても、運用が進むにつれてさまざまな課題が表面化してきます。特に多いのが、「Amazon単体では問題なく運営できていたが、事業の成長とともに在庫管理が追いつかなくなる」というケースです。

ここでは、実際の現場で多く見られるAmazon在庫管理の代表的な3つの課題について解説します。

課題①FBAと自社在庫が分断される

FBAを利用している場合、在庫はAmazon倉庫内で管理されます。一方、FBMや他チャネルで販売している在庫は、自社倉庫や外部倉庫で管理されることになります。これにより、FBA在庫と自社倉庫在庫が別々に存在し、在庫情報が一元的に把握できない状態になりやすくなります。

特に、FBAとFBMを併用している場合、在庫の所在や引当状況が分かりづらくなり、管理の難易度が一気に上がります。

課題②在庫更新の手作業が増える

Amazonの在庫管理をセラーセントラルだけで行う場合、FBM在庫の更新は基本的に手動対応となります。販売量が少ないうちは問題ありませんが、商品点数やチャネル数の増加、注文数の増加に伴い、在庫更新作業が大きな負担になってきます。

在庫更新の遅れは、そのまま売り越しや欠品につながるため、担当者には常に慎重な管理が求められます。

課題③複数チャネル間で在庫調整が追いつかない

多くの事業者は、Amazon以外にも下記のような販売チャネルを運営している場合が多いです。

◆Amazon以外の販売チャネル例

・自社ECサイト
・楽天市場
・Yahoo!ショッピング
・ZOZOTOWN
・実店舗

このように、複数の販売チャネルを運営している場合、各チャネルで在庫を個別に管理する必要があります。そのため、「Amazonで1点売れたら、他チャネルの在庫も減らす」という調整作業が発生します。この調整がリアルタイムで行えない場合、在庫ズレや販売停止が頻発し、業務負荷が急激に高まります。

これらの課題の原因は、在庫情報がチャネルごとに分断されている構造そのものにあり、担当者の努力や運用ルールの工夫だけでは解消しきれません。

Amazon在庫管理を効率化するためには、在庫情報を一か所に集約する

複数チャネルで商品を販売することが一般的になっている現在のEC運営において、在庫管理を効率化するためのポイントは数多く存在します。しかし、実務の現場では、それらを個別の工夫や運用ルールを設けても、なかなか根本的な解決には至りません。

その理由は、在庫管理が複雑になる原因が、作業方法や担当者の問題ではなく、在庫情報が複数の場所・複数のシステムに分散して存在している構造そのものにあるためです。

すでに解説した通り、AmazonではFBA在庫と自社倉庫在庫が別々に管理されます。さらに自社ECや他モール、実店舗を併用すれば、在庫情報はチャネルごとに分断されていきます。

◆在庫情報が分断された状態

在庫情報が分断された状態

※画像は筆者が作成

このような状況においては、下記のような面倒な作業が避けられません。

・販売のたびに在庫情報を更新する
・複数の管理画面を行き来する
・常に在庫数を同期させ続ける

しかも、チャネルや商品点数が増えるほどこれらの負荷が増大し、人の手による管理ではいずれ限界を迎えます。

そのため、複数チャネル時代の在庫管理では、各販売チャネルごとに在庫を管理するのではなく、全チャネル共通の基準となる在庫情報を一か所に集約する考え方が欠かせません。

在庫管理の拠点を一元化することで、在庫情報の基準が明確になり、更新作業を自動化しやすくなるのはもちろん、将来的なチャネル拡大にも柔軟に対応できる体制を構築することが可能になります。

なお、ここでいう「在庫管理の一元化」とは、在庫の保管場所を一か所にまとめることではありません。FBAを継続したまま、在庫情報のみを一元的に管理する考え方を指します。

つまり、複数チャネル運営における在庫管理の効率化は、個別のテクニックによるものではなく仕組みそのものを見直すことが重要です。

複数チャネルの在庫管理を効率化する「一元管理システム」の仕組み

前述した通り、複数の販売チャネルを運営している場合、在庫管理の負荷が高まる最大の要因は、在庫情報がチャネルごとに分断されていることにあります。

この課題を解消する手段が、一元管理システム(在庫管理システム)です。

一元管理システムとは、Amazonや各モール、自社ECサイトなど、複数チャネルに分散している受注情報や在庫情報を一つの基準システムに集約し、常に同じ在庫データを参照できる状態を構築する仕組みを指します。

例えば、「スマレジEC・一元管理」では、複数の販売チャネルやECカートと連携し、受注情報や在庫情報を自動で自動で取り込み、一元的に管理することが可能です。

在庫の実物はAmazon倉庫(FBA)や自社倉庫など複数拠点に分かれていても、在庫情報の管理拠点を一か所に集約できます。一元管理システムを導入することで、在庫管理の構造は以下のように変化します。

◆スマレジEC・一元管理の仕組み

スマレジEC・一元管理の仕組み

画像引用:スマレジEC・一元管理

従来は、Amazonや各モール、自社ECサイトごとに在庫情報が個別に管理されており、販売のたびに在庫数の調整作業が発生していました。その結果、在庫数の反映遅れや管理ミスが起こりやすい状態になっていました。

一元管理システムでは、複数チャネルの受注情報や在庫情報が一つの基準システムに集約されるため、どのチャネルで商品が販売されても在庫情報が自動で更新され、常に同じ在庫データを参照できる状態が実現します。

これにより、在庫ズレや売り越しを防ぎながら、チャネルを横断した在庫状況の把握や補充判断が容易になります。

マルチチャネル運営において、在庫管理を人の手による調整作業から、自動化できる「仕組み」として安定させることが、一元管理システムの最大の価値と言えます。

スマレジEC・一元管理 公式サイト

Amazonの在庫管理における「MCF」と一元管理システムの違いと役割

Amazonの在庫管理を検討するうえで、あわせて理解しておきたいのが「MCF(マルチチャネルフルフィルメント)」です。MCFとは、Amazonのフルフィルメントセンター(FBA倉庫)に保管している商品を、Amazon以外の販売チャネルの注文に対しても出荷できるサービスです。

自社ECサイトや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどで受注した注文であっても、Amazon倉庫から商品を出荷できるため、物流業務をAmazonに集約できる点が大きな特長です。

MCFでは、以下のような業務をAmazonに委託することが可能になります。

◆MCFでできること

・商品の保管(FBA倉庫)
・ピッキング、梱包作業
・配送手配、出荷業務
・配送品質の標準化

これにより、自社倉庫や出荷スタッフを持たずにマルチチャネル販売を行うことも可能になります。

ただし、ここで重要なのは、MCFはあくまで物流(フルフィルメント)を担う仕組みである点です。MCFを利用しても、「各チャネル間の在庫数のリアルタイム同期」や「複数チャネルの受注情報の自動集約」といった情報管理まではできません。

そのため、MCF単体で運用した場合、手動更新の遅れによる売り越しリスクや、出荷依頼を手動やCSVで行うなどの手間は依然として残ります。そこで、実務の現場では、MCFと一元管理システムを以下のように役割分担して運用するケースが一般的です。

◆複数チャネル運営における役割分担

サービス・ツール 主な役割
Amazon MCF(FBA) 物理的な管理:商品の保管・ピッキング・梱包・配送など
一元管理システム(在庫管理システム) 情報の管理:受注情報・在庫情報を集約し、在庫数を同期

このように、情報の管理は一元管理システムで行い、出荷・配送はMCFに任せるという分業体制によって、売り越し防止と出荷効率の両立が可能になります。

「スマレジEC・一元管理」によるAmazonの在庫管理の最適化

Amazonを含む複数チャネルで販売を行う場合、在庫管理は事業成長とともに必ず複雑化していきます。FBAやMCFといった物流サービスを活用することで出荷業務の負担は軽減できますが、それだけでは在庫管理の課題は解消されません。

重要なのは、在庫の実物ではなく在庫情報の管理であり、在庫情報が販売チャネルごとに分断された状態のままでは、在庫ズレや売り越し、調整作業の属人化といった問題が避けられません。

このような課題を解消するためには、在庫情報・受注情報を一か所に集約し、全チャネルで同じデータを参照できる一元管理の仕組みの構築が不可欠になります。

「スマレジEC・一元管理」は、Amazonをはじめとした複数のECカートやモールと連携し、在庫情報や受注情報を一元的に管理できるEC総合プラットフォームです。在庫管理の効率化だけでなく、顧客情報を活用したCRM機能も備えており、リピーター施策や継続購入の促進といった売上向上施策にも活用できます。

Amazonの在庫管理における日々の調整業務の負担を大きく減らし、販売戦略や顧客体験の向上により多くの時間を使えるようになります。

Amazonをはじめとしたマルチチャネル運営における在庫管理を根本から見直したい方は、ぜひ下記の公式サイトをご覧いただき、導入事例や無料ダウンロード可能な資料をご確認ください。

スマレジEC・一元管理 公式サイト

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