Web-EDIのメリットとデメリット
メリット
Web-EDIを導入することで得られるメリットは以下の通りです。
まず、「企業双方の取引データを自動的にやり取りできる」ことが挙げられます。伝票や紙の請求書を作成する手間がなくなり、従業員の作業時間を削減できます。
これに伴い、「人的ミスの減少」にも寄与します。従業員が注文書や請求書の作成、受注データの入力を手動で行う場合、人為的なミスが発生しやすいですが、Web-EDIを利用すると自動的にデータ登録が行われるため、ミスの可能性が低減します。
また、「ペーパーレス化を図れる」メリットもあります。FAXや郵送に頼らずにデータをやり取りするため、紙の使用を大幅に削減できます。これにより、FAX用紙や郵送費のコスト削減だけでなく、保管スペースも節約できます。
さらに、「イニシャルコストやランニングコストが安い」ことも重要なメリットです。Web-EDIは専用のソフトやシステムの導入が不要であり、クラウドで提供されるため低コストで導入できます。提供元が運用・管理を行っているためランニングコストも抑えられます。
「回線速度が速い」点も利点の一つで、通常の電話回線と比較して高速な回線速度が期待でき、業務処理スピードが向上します。
最後に、「セキュリティが優れている」ことも挙げられます。Web-EDIは暗号化技術を使用しており、安全な環境でデータのやり取りが行えます。機密性が高く、信頼性のある情報の取り扱いが可能です。
デメリット
Web-EDI導入のデメリットには以下の点が挙げられます。まず、「システムが標準化されていない」ことが挙げられます。Web-EDIはcsvファイルのフォーマットが統一されておらず、標準仕様が存在しません。企業ごとに画面レイアウト、出力帳票のレイアウト、データの種類などが異なり、独自性の強いものもあります。取引先とEDIシステムの仕様が異なる場合、商取引の電子化が難しくなります。異なるWeb-EDIを導入した場合、それぞれに合わせたcsvファイルを生成し、取り込む必要が生じ、オペレーションが煩雑になる可能性があります。
それに伴い、「取引先と仕様が違うものを選ぶと使いづらい」点にも留意が必要です。多くの企業が独自のEDIシステムを構築しており、仕様の調整が必要なケースもあります。Web-EDIを導入する際には、取引先企業との調整が必要であり、特に通信プロトコルに注意を払う必要があります。通信プロトコルは通信の手順やルールを指定するものであり、主なプロトコルには「EDIINT AS2」「OFTP2」「ebXML MS」、「JX手順」「SFTP」「全銀協標準通信プロトコル」の6種類があります。導入の際には自社と取引先とのWeb-EDIの通信プロトコルを合わせる必要があり、複数のプロトコルから選択できると良いでしょう。