ECサイトでCRMを成功させる「7つの秘訣」をプロが解説

ECサイトでCRMを成功させる「7つの秘訣」をプロが解説

ECサイトにおいて「CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)」とは、商品を購入あるいは会員登録してくれたユーザーに対して、メール、DM、LINEなどを使って、ショップと顧客の関係値を高めてリピート購入につなげていくための活動のことです。2025年現在、EC事業者にとってCRMの価値は、これまで以上に高まっております。

その背景には、Google広告の単価の高騰に加え、Google検索において「AI Overviews」が普及し、検索結果画面で自社コンテンツがクリックされづらい状況となったことがあります。これにより新規獲得の難易度が高まってきたため、LTVを重視して売上を高めていく意識が高まってきているのです。

ECサイトにおけるCRM施策において、筆者が皆さまにおすすめしたい7つの秘訣があります。

◆CRM施策を成功させるための7つの秘訣

秘訣①CVした入口に応じてコミュニケーションを最適化する
秘訣②購入後にアンケートを実施して離脱を防ぐ
秘訣③ターゲット顧客のペルソナを3~5つは作る
秘訣④新商品に対しては、最も相性の良いセグメントを切ってターゲット顧客に配信
秘訣⑤解約が発生しやすい回数で割引・特典を入れる
秘訣⑥休眠兆候を検知し、先回りでアプローチする
秘訣⑦ロイヤルカスタマーには、さらなる特典を付与して特別感を出す

ただし、これらのCRMを継続的に実施するにあたって、すべてを手作業で運用するのは現実的ではないため、配信設計やセグメント管理などを「仕組み化」する必要があります。例えば「スマレジEC・リピート」のようなCRMが得意なソリューションを活用すれば、施策の運用負荷を抑えながら、日々の実施と改善を継続しやすくなります。

リピート通販・D2C特化型カートシステム「スマレジEC・リピート」

本日は、スマレジECでマーケティングを担当している筆者が、ECサイトでのCRMを成功させる秘訣を紹介します。ECサイトのリピート売上を伸ばしたい方、CRMを始めたいものの何から手をつけるべきか迷っている方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

EC事業において「LTV」をCRMで高めるべき3つの理由

EC事業においては、新規獲得よりもCRMによって「LTV」を高めていくことが求められます。その大きな理由は以下の3つに絞られます。

◆CRMでLTVを高めるべき3つの理由

CRMでLTVを高めるべき3つの理由

大きくはこの3つが、新規獲得の効率が落ちる一方で、LTVを伸ばす重要性が増していることを示す要因と言えます。それぞれの理由について詳しく解説いたします。

理由①広告単価が高騰している

どの業界においても競合が増え、多くの事業者がGoogle広告やMeta広告など実施するようになり、CPAやCPOが高騰しております。その結果、WEBにおける新規獲得の効率が全業界で落ちており、新規獲得自体が難しい状況となってきました。

下記の記事によると、日本の総広告費は3年連続で過去最高を更新し、特にインターネット広告費は、総広告費の約半数の3兆6,517億円(前年比9.6%増)にのぼるとされています。

参考:インターネット広告費は9.6%増の3.6兆円、総広告費は4.9%増の7.6兆円【2024年の国内広告費】

このような環境下では、「広告費を投下すれば新規顧客が安定して獲得できる」という前提は、もはや成り立たなくなっています。特にEC事業では、商品単価や粗利が限られているケースも多く、広告費の高騰はそのまま利益を圧迫する要因になります。

一方で、すでに接点を持っている既存顧客は、新規顧客と比較して購入ハードルが低く、適切なコミュニケーションを行えば再購入につながりやすい傾向があります。

ここで重要になるのがCRMです。CRMを活用することで、購入履歴や行動データをもとに顧客一人ひとりに合わせたアプローチが可能になり、無駄な広告費をかけずに売上を積み上げることができます。

理由②SEOに「AI Overviews」が出現し、CVが減っている

2024年8月頃より、Google検索結果に「AI Overviews」が表示されるようになり、SEOを取り巻く環境は大きく変化しています。

AI Overviewsでは、ユーザーが知りたい情報の要点が検索結果上部に要約表示されるため、従来であればECサイトやオウンドメディアへ流入していたユーザーが、検索結果画面内で情報収集を完結させてしまう状況が増えています。

◆「掃除機 おすすめ」と検索して表示されるAI Overviews

「掃除機 おすすめ」と検索して表示されるAI Overviews

その結果、検索順位を維持していたとしてもクリック率が低下(※)し、サイトへの流入数やCVが減少する現象が起きています。

特に、比較検討フェーズのキーワードでは、商品選定のヒントや判断材料がAI Overviews内で提示されるため、ECサイトが購入検討の土俵に上がる前にユーザーの意思決定が進んでしまうことも少なくありません。

このように、検索からの流入が不安定になる中で、過去に獲得した顧客との接点を継続的に持ち、再購入やクロスセルにつなげていくCRMの重要性が相対的に高まっていると言えるのです。

AI Overviews が表示されることで、ページへのアクセス数が34.5% 減少!

理由③本格的にCRMを実施する会社は、まだ多くはない

筆者の主観ではありますが、まだCRMを本格的に実施しているEC事業者は多くはない印象です。

実際にECプラットフォームのCRM機能を利用しているものの、単なるメルマガ配信ツールと化している企業は多く、初回購入後のサンクスメール配信や、全顧客に向けたキャンペーン告知で止まってしまっていることも少なくありません。

また、一部ではF2転換を目的とした配信を行っているものの、「初回購入から◯日後にクーポンを送る」といった単純なシナリオにとどまり、購入商品や購入金額、カテゴリの違いまで踏み込めていない例も多く見られます。

その結果、実質的にはF1からF2への一律対応となり、顧客ごとの関心や購買意欲に合わせたコミュニケーションが設計できていない状況です。

本来CRMは、F2以降の購入頻度や商品カテゴリの偏り、休眠兆候などを基に顧客をセグメントし、それぞれに適した施策を打ち分けるための仕組みです。しかし、この段階まで活用できているEC事業者はまだ限られており、CRMを導入していてもLTV向上に十分活かしきれていないケースが多いと言えるでしょう。

これらの理由から、EC事業者においてCRMの重要度が高まっていると考えられるのです。

では「どのようにCRM施策を実施すべきか」ですが、次項ではCRM施策で効果を最大化するための具体的な秘訣を紹介していきます。

EC事業者がすぐ実践できる!CRM施策を成功させる7つの秘訣

ここからは、EC事業者が行うべき7つのCRM施策と、それを成功させる具体的な秘訣について解説いたします。

秘訣①CVした入口に応じてコミュニケーションを最適化する

初回購入後に、サンクスメールを出したり、あるいは購入後一週間でフォローメールを配信したりするEC事業者は多いでしょう。しかし、その多くが「どの入口からCVしたのか」を考慮せず、同じ内容を全顧客に配信しているのが実情です。

例えば、以下の2つの入口経由でCVした顧客がいたとします、

広告経由のキャンペーンLPで初回購入した顧客A

顧客Aさんの気持ち「少しでも安く、お得にファスティング用の酵素が欲しかった!」

SEO経由で比較検討を重ねたうえで購入した顧客B

顧客Bさんの気持ち「酵素には必要なビタミンも含まれ、ファスティングの際も栄養不足にならなそう!」

このように、入口ごとに顧客の考え方は変わってくるのです。そのため、前者(顧客A)には価格訴求やF2購入向けのクーポンを出すことが、より重要であり、後者(顧客B)には、ファスティング中の栄養・肌荒れなどの情報や、より栄養が含まれている商品へのアップセルが有効であるという仮説が成り立ちます。

このように、入口によって顧客の商品理解度や購買動機が大きく異なるにもかかわらず、同一のメッセージを送ってしまうと、顧客の関心とコミュニケーション内容にズレが生じやすくなります。

CRMを活用すれば、流入チャネルやCVした入口に応じて、初回購入後のコミュニケーションを設計することが可能です。

例えば、広告経由の顧客には商品価値や使い方を丁寧に伝えるコンテンツを中心に配信し、SEO経由の顧客には比較ポイントや選ばれている理由を補足する情報を届けることで、次回購入への心理的ハードルを下げることができます。

CVした入口に合わせてコミュニケーションを最適化することは、F2転換率を高めるうえでの基本施策であり、LTV向上の土台となる重要な取り組みと言えるでしょう。

秘訣②購入後にアンケートを実施して離脱を防ぐ

初回購入後の顧客の中には、「商品に満足していない」顧客も必ず存在します。特に、定期販売は2回目以降から利益がでるビジネスモデルになっていますが、ここで解約されると利益が出ません。

そのため、初回購入後にアンケートを実施して、「やや不満足」「不満足」といった顧客を対象に、セグメントメールを送付してクーポンを送付します。そうすることで、以下のような心理に変化する顧客も少なくありません。

顧客の気持ち「まあ商品は気に入っていないけど、クーポンをくれたからもう少し続けてみるか!」

このように退会を防ぎ、F2転換率の向上につなげることができます。

もちろん、不満を持った全ての顧客が継続するわけではありませんが、離脱しやすい層に先回りでアプローチできる分、結果としてF2転換率を押し上げ、売上向上にもつながりやすくなります。

秘訣③ターゲット顧客のペルソナを3~5つは作る

自社のターゲットを「30代の女性」とだけ設定してCRM施策を行うのではなく、例えば以下のように、生活環境や価値観まで踏み込んだ複数のペルソナを設計します。

◆ファスティング向けの酵素を販売する場合のペルソナ設計

・「30代前半で大手に勤めるビジネスパーソンの独身女性」向けのコミュニケーション
→ オフィス勤めで忙しい方向けに、短期間で金土日の三日間を使った、苦しくないファスティングを提案

・「30代後半で子どもを持つ専業主婦」向けのコミュニケーション
→ 夜食は家族と食事を共に、朝昼を酵素でファスティングする方法を提案

・「40代前半で仕事と家事を両立している共働きの女性」向けのコミュニケーション
→ 旦那さんもファスティングに誘ってみて、夫婦二人で一緒にファスティングできるファスティングセットを提案

このように、年齢や性別だけでなく、職業、家族構成、生活リズムまで踏み込んでペルソナを分けることで、CRM施策はより実態に即したものになります。

ペルソナごとにコミュニケーションの切り口を変えることで、同じ商品であっても訴求のズレを防ぎ、F2転換や継続購入を効率的に促すことが可能になります。

秘訣④新商品に対しては、最も相性の良いセグメントを切ってターゲット顧客に配信

新商品を開発した際は、全顧客に対して一斉にメルマガやDM、LINEを打つのも良いのですが、可能であれば平行して、自社のメルマガリストから、最も新商品と相性の良さそうなターゲット層でセグメントを切って、そのターゲット向けに刺さるメッセージでメルマガやDM、LINEを配信してみましょう。

商品と相性の良いターゲット層を抽出し、セグメントを切って配信することで、より具体的なメッセージングを行うことができるため、配信リスト数は少なくなりますが、多くの反響を得られるようになるはずです。

このような施策ができるのも、自社のリストに対して、施策③で説明したペルソナを複数持っているからこそなのです。

秘訣⑤解約が発生しやすい回数で割引・特典を入れる

定期販売の運営をしていると、「解約が発生しやすい回数」が目安として見えてくるようになります。解約が起きやすい回数を特定できたら、そのタイミングでクーポンやポイント、あるいは特典を付与し、解約を防ぐ施策を行います。

例えば、定期3回目や5回目など、継続のハードルが高くなりやすいタイミングでは、商品自体への不満ではなく、利用頻度や在庫過多、購入意欲の低下といった理由で解約が検討されるケースも少なくありません。この段階で一律に値引きを行うのではなく、次回購入の後押しとなる特典を設けることで、解約意思を和らげることができます。

CRMを活用すれば、定期継続回数を条件にしたクーポン配布やポイント付与、限定特典の案内を自動化することが可能です。あらかじめ解約が集中する回数に施策を仕込んでおくことで、解約が発生してから対応するのではなく、解約を未然に防ぐCRM運用へとシフトできます。

解約率を下げることは、そのままLTVの底上げにつながるため、定期販売におけるCRMでは解約が起きてから対処するのではなく、解約が起きやすいタイミングを先回りして設計する視点が重要になります。

秘訣⑥休眠兆候を検知し、先回りでアプローチする

EC事業において、顧客が完全に離脱してから再度購入してもらうのは容易ではありません。そのためCRMでは、完全な休眠状態になる前に「休眠の兆候」を捉え、先回りでアプローチすることが重要になります。

例えば、以下のような行動は、休眠のサインとして捉えることができます。

◆休眠兆候の例

・購入間隔が徐々に空き始めている
・定期購入のスキップや配送間隔の変更が増えている
・メールやLINEの開封率が低下している など

これらの兆候を条件として設定し、通常の一斉配信とは異なるコミュニケーションを行うことで、離脱を防ぎやすくなります。

休眠兆候が見られる顧客に対しては、単なる割引訴求ではなく、利用シーンの再提案や商品価値の再認識につながる情報提供が有効です。例えば、使い切りの目安やおすすめの使用方法、過去の購入商品に関連する新商品の紹介など、購入理由を思い出してもらうための接点を作ります。

CRMを活用すれば、休眠兆候を条件にしたメールやLINEの自動配信、特定顧客だけに向けたフォロー施策を設計することが可能です。顧客が完全に離脱してしまう前にアプローチできるかどうかが、LTVを安定して伸ばせるかどうかの分かれ目になります。

秘訣⑦ロイヤルカスタマーには、さらなる特典を付与して特別感を出す

EC事業で、もっとも利益を高めてくれる存在は、購入回数を重ねているロイヤルカスタマーです。しかし、数十回にわたって購入を継続しているロイヤルカスタマーであっても、何かのタイミングで「ずっと購入しているのに特別扱いされていない」と感じてしまうと、解約につながるリスクがあります。

ロイヤルカスタマーに対して重要なのは、割引やポイント還元といった金銭的メリットだけではありません。

◆ロイヤルカスタマー向けの特典例

・限定商品の先行案内
・新商品の優先案内
・非公開キャンペーンへの招待 など

このような「継続しているからこそ得られる体験」を用意することで、特別感を演出することができます。

CRMを活用すれば、購入回数や累計購入金額を条件にロイヤルカスタマーを自動で判別し、対象者のみに向けたコミュニケーションを設計することが可能です。例えば、一定回数を超えた顧客にだけ感謝メッセージや特典を届けることで、「選ばれている」という意識を自然に醸成できます。

ロイヤルカスタマーの離脱は、売上への影響が大きい一方で、適切なCRM施策を行えば防げるケースも多くあります。継続してくれている顧客ほど、意識的に優遇し、関係性を深めていくことが、LTVを最大化するための重要な取り組みと言えるでしょう。

顧客とのコミュニケーション手段は主に4つ「メール」「DM」「LINE」「同梱物」

EC事業におけるCRMでは、顧客データを基に「どのチャネルで」「何を伝えるか」を使い分けることが重要です。

顧客との主なコミュニケーション手段は、「メール」「DM」「LINE」「同梱物」の4つに整理できます。以下の表にそれぞれの役割や特徴をまとめました。

◆4つのコミュニケーション手段の比較

手段 主な役割 主な利用目的 特徴
メール 情報提供・フォロー 商品理解、使い方案内 低コストで継続運用しやすい
DM 特別感の演出 ロイヤル顧客向け施策 記憶に残りやすい
LINE 行動喚起 クーポン配布、ポイント付与 開封率が高く即効性がある
同梱物 体験価値の向上 継続促進、感動体験 商品体験と一体化できる

それぞれ役割は異なりますが、特にLINEは、クーポンやポイント付与といったインセンティブ施策と相性が良く、購入の後押しや行動喚起を目的としたコミュニケーションに多く使われます。

一方で、メールは商品理解やフォローを目的とした情報提供、DMや同梱物は特別感や体験価値を伝える手段として活用されるのが一般的です。

CRMでは、これらを単発で使うのではなく、顧客の購入回数や状態に応じて役割を持たせて設計することで、無理なくLTVを高めていくことができます。そして、CRMを導入する際は、メールだけでなく、スマレジEC・リピートのように、これら4つを管理できるCRMシステムを利用すべきです。

ECサイトでCRM機能を利用するための3つの方法

ここまでの解説で、CRMの重要性や具体的施策が理解できたと思いますが、実際にCRM機能を利用するにあたっては、主に以下の3つの方法があります。

①ECサイトの付属CRM機能
②外部のCRMツールを導入
③CRM機能に強いECサイトを利用する

それぞれの特徴を比較表にまとめましたので、以下の表をご覧ください。

◆ECサイトにおけるCRM機能の利用方法の比較

比較項目 ①ECサイトの付属CRM機能 ②外部CRMツール ③CRM機能に強いECサイトを利用する
導入ハードル 低い 高い 低い
初期費用 数万~ 数万〜数十万円 数万〜
運用のしやすさ ECと一体で運用可能 設計・連携が必要 ECと一体で運用可能
ステップ配信 簡易的 高度なシナリオが可能 高度なシナリオが可能
ロイヤル顧客施策 限定的 ランク・特典設計が容易 ランク・特典設計が容易
ECとの連携 標準で連携 API連携が必要 標準で連携

3つの方法で特におすすめするのは、CRMに強い「スマレジEC・リピート」のようなECサイトを利用することです。すでにECサイトと一体型であることを考えると、CRMの導入ハードルは低く、またECサイトの利用料で使えるため、CRMにかかるコストを抑えることができます。

さらに、外部CRM専用ツールに匹敵する機能を持っている点からも、定期販売や頒布会においては最も有力な選択肢と言えるのです。スマレジEC・リピートの充実したCRM機能の詳細については、下記公式サイトをご覧ください。

スマレジEC・リピート公式サイト

要注意!2024年2月にGmailのポリシーが変更

2024年2月、Gmailはメール配信に関するポリシーを変更(※)し、大量配信を行う送信者に対して、より厳格な基準を求めるようになりました。この変更は、EC事業者が行うメルマガやCRMメールにも直接影響する内容となっています。

このポリシー変更では、以下の点が重視されるようになりました。

◆ポリシー変更で重視されるようになったポイント

・送信ドメインの認証設定
・迷惑メールとして報告される割合
・配信停止のしやすさ など

2024年2月以降、特に購読解除リンクが分かりにくいメールや、一斉配信を頻繁に行う運用は、迷惑メール判定を受けやすくなっています。

その結果、従来と同じ内容・頻度でメールを配信していても、Gmail上では受信トレイに届かず、迷惑メールフォルダへ振り分けられるケースが増えています。これは、メール自体の内容以前に、配信設計や運用方法が問われるようになったことを意味します。

ECのCRMにおいては、メールは今後も重要なコミュニケーション手段である一方で、「とりあえず全顧客に送る」運用はリスクが高くなっています。購入回数や顧客状態に応じた配信対象の絞り込みや、不要な顧客には無理に送り続けない設計が、これまで以上に重要になります。

Gmailのポリシー変更は、単なる配信ルールの変更ではなく、CRM施策の質を見直すきっかけとも言えます。メールだけに依存するのではなく、LINEや同梱物など他のコミュニケーション手段と役割を分担しながら、顧客との接点を設計していくことが、これからのEC-CRMに求められるでしょう。

メール送信者のガイドライン

新規獲得とLTVの担当スタッフが分かれていると、CRMにつなげにくい顧客が増えてしまう

EC事業において意外と見落とされがちなのが、新規獲得とLTV向上の担当が分断されてしまっているケースです。広告運用やSEOなどの新規獲得は別チームが担当し、CRMや既存顧客施策は後回し、あるいは明確な担当がいないという体制になっている企業も少なくありません。

このような状態では、新規獲得側はCPAやCV数を重視し、LTV側は継続率や購入回数を重視するため、施策の目的が噛み合わなくなります。その結果、初回購入をゴールとした集客が増え、CRMにつなげにくい顧客が増えてしまうこともあります。

本来、新規獲得とLTVは切り離して考えるものではありません。どの入口から獲得した顧客を、どのように育てていくのかまでを含めて設計してこそ、EC事業全体としての成果が最大化されます。CRMは、獲得後の施策であると同時に、獲得施策の質を左右する要素でもあります。

もし社内で、新規獲得とLTV向上の担当が完全に分かれているのであれば、少なくとも顧客データやKPIを共有し、共通の目標を持つことが重要です。CRMを軸に、新規獲得から継続・ファン化までを一気通貫で考える体制を整えることが、これからのEC事業にとって重要になります。

CRM担当者はロイヤルカスタマーが誰であるか、名前まで把握しておくべき!

CRMはツールや仕組みの話と思われがちですが、最終的に顧客との関係性をつくるのは「人」です。特にロイヤルカスタマーは、購入回数や金額だけで管理される存在ではなく、ブランドとの関係性を感じ取っている顧客でもあります。

そのため、CRM担当者自身が「ロイヤルカスタマーが誰なのか」を把握しているかどうかは、非常に重要なポイントです。もし、名前が出てこないようであれば、自分のCRM業務に対する熱意が低いと言わざるを得ません。

ロイヤルカスタマーとの関係を構築するためにおすすめしたいのが、感謝祭やファン向けイベントを実施し、ロイヤルカスタマーと実際に会って話をしてみることです。

実際に会うことで、数字だけでは見えてこなかった気付きが得られることがあります。「なぜ継続して購入してくれているのか」「どこに価値を感じているのか」を直接聞くことで、次に打つべきCRM施策のヒントが明確になります。

CRM担当者がロイヤルカスタマーを把握し、顔が思い浮かぶ状態をつくることは、LTVを伸ばすうえで欠かせない視点なのです。

LTVを上げる意識ではなく「顧客満足度を上げる意識」が重要

ECでCRMを語る際、「LTV」という指標が先行しがちですが、本来それは目的ではなく結果です。LTVを上げようとして施策を設計すると、クーポンの連発や過度な販促に寄ってしまい、かえって顧客との関係性を損なう場合もあります。

一方で、顧客満足度を高めることを軸にCRMを設計すると、施策の考え方は自然と変わります。適切なタイミングで役立つ情報が届く、必要以上に連絡が来ない、継続している顧客がきちんと大切にされていると感じられる。このような顧客に寄り添った体験の積み重ねが、結果としてLTVの向上につながります。

CRMは顧客をコントロールするための仕組みではなく、顧客との関係性を整えるための仕組みです。購入回数や金額だけを見るのではなく、「顧客がどのような体験をしているのか」「どこで不満や違和感を感じているか」といったところに目を向けることが重要です。

顧客満足度を高める意識でCRMに向き合えば、解約を防ぐことも、ロイヤルカスタマーを育てることも、自然な流れとして実現できます。LTVは追いかけるものではなく、顧客満足度の延長線上にある指標だと言えるでしょう。

スマレジEC・リピートならCRM機能が豊富

2025年現在、EC事業では新規獲得の難易度が高まっており、LTVを重視して売上を伸ばしていく意識が強まっています。その結果、EC運営における「CRM」の重要性があらためて見直されています。

本記事では、ECサイトでCRM施策を成功させるための7つの秘訣を紹介しました。

① CVした入口に応じてコミュニケーションを最適化する
② 購入後にアンケートを実施して離脱を防ぐ
③ ターゲット顧客のペルソナを3~5つは作る
④ 新商品は、最も相性の良いセグメントを切ってターゲット顧客に配信する
⑤ 解約が発生しやすい回数で割引・特典を入れる
⑥ 休眠兆候を検知し、先回りでアプローチする
⑦ ロイヤルカスタマーには、さらなる特典を付与して特別感を出す

ただし、これらのCRMを継続的に実施するには、CRMが得意なソリューションを活用して、無理なく運用を継続できる環境を整えることが重要です。

その選択肢の一つとして、定期販売・リピート通販向けに設計された「スマレジEC・リピート」は、質の高いCRMの実施に最適な環境を提供します。

LP一体型フォームによる購入導線の最適化や、ステップメールによる条件別の自動配信、メール内でのアップセル・クロスセル提案など、LTV向上を後押しするCRM機能が充実しており、施策を運用に落とし込みやすい形で備えています。

また、LINE公式アカウント連携も可能なため、メール以外のチャネルも含めてCRMを組み立てたい場合にも検討しやすいECシステムです。

CRMをこれから強化したい方は、まずは下記の公式サイトで概要を確認し、あわせて資料をダウンロードして運用イメージを掴んでみてください。

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