新規事業者が10分で理解できる「EC事業」成功のポイント

新規事業者が10分で理解できる「EC事業」成功のポイント

EC事業とは、インターネット上で商品やサービスを販売するビジネス全般のことです。近年では、企業規模や業界を問わず、多くの事業者がEC事業へ参入しています。

実際に、多くの業界でEC利用は進んでおり、例えばアパレル業界を代表するユニクロでは、国内売上に占めるEC化率が14.8%(※)に達しており、ECはもはや補助的な販売チャネルではなく、事業成長の鍵となる重要な柱となっています。

EC事業に取り組む多くの企業が目指しているのは、このEC化率をいかに高めていくかという点です。しかし、単にECサイトを立ち上げただけで売上が伸びるほど、EC事業は簡単ではありません。

EC化率を高めるためには、新規顧客の獲得だけでなく、一度購入した顧客に継続して利用してもらう仕組みづくりが欠かせません。初回購入だけで終わってしまえば売上は積み上がらず、広告費への依存度も高まってしまいます。

そのため、EC事業ではリピート率をいかに高められるかが、成長の分かれ目となります。

こうした背景から、近年はリピート購入を軸としたEC運営に注目が集まっており、顧客情報や購買履歴を活用した継続的なコミュニケーションによって、EC事業の売上を安定させる取り組みが広がっています。「スマレジEC・リピート」は、こうしたリピート施策を実行しやすくする仕組みとして、多くのEC事業者に活用されています。

リピート通販・D2C特化型カートシステム「スマレジEC・リピート」

本日は、スマレジECでマーケティングを担当している筆者が、EC事業を成功に導くために押さえておきたい実践的なポイントを10分でわかりやすく解説します。

株式会社ファーストリテイリング「2025年8月期業績および2026年8月期 業績予想」

目次

EC事業と実店舗の比較

まず、EC事業を理解するために店舗の事業と比較し、各事業の特徴をまとめてみました。下記の比較表をご覧ください。

◆EC事業と実店舗の比較

EC(ネット通販) 実店舗
販売場所 インターネット上 物理的な店舗
初期費用 比較的低い(サイト構築・システム費用など)
0円からスタートすることも可能
高い(物件取得・内装・設備費など)
数百万円~数億円
運営コスト サーバー費、広告費、物流費など
数千円程度からも可能
家賃、人件費、光熱費など 数十万円~数百万円と高い
営業時間 24時間365日 営業時間内のみ
商圏 全国・海外まで可能で非常に広い 店舗周辺が中心で狭い
接客方法 文章・画像・チャットなどでファンにするのは大変 対面接客であり、接客次第でファンやリピーターになりやすい
在庫管理 倉庫・自社で管理 店舗で管理
集客方法 SEO、広告、SNS、メールなどのデジタルマーケティング 立地、看板、チラシ、口コミなどエリアマーケティングが中心。
(デジタルではMEO対策)
購買体験 実物をみて購入することができない 実物を見て購入することができる
人手依存 少ないスタッフで運営可能(自動化しやすい)1人~ ECより手間がかかるため人手かかかる

この表だけを見ると、EC事業はコストを抑えやすく、人手もかからず、利益が出やすいビジネスモデルに見えます。しかし、EC事業を行ううえでは大きな課題があります。それが、Amazonや楽天市場などのショッピングモールの存在です。

インターネット上には無数のECサイトがありますが、売上の多くはAmazonや楽天市場といったショッピングモールが占めています。下記記事によると、2024年に実施したECサイトの利用率調査の結果において、以下のような結果が出ています。

◆最も利用(購入)しているECサイトの調査結果(一部抜粋)

・Amazonの利用率:最高37.6%(20代)/最低31.2%(60代)
・楽天市場の利用率:最高39.5%(60代)/最低15.2%(20代)
・Yahoo!ショッピングの利用率:最高13.1%(50代)/最低5.2%(20代)
・自社ECの利用率:最高3.3%(20代)/最低1.0%(30代)

引用:利用するECサイトは「Amazon」と「楽天市場」の二極化。若年層はアマゾン、「楽天市場」は年齢が上がると利用率が高まる傾向

このように、ショッピングモールが多くの消費者の入り口を押さえており、自社ECは認知・集客が不利な状態になっています。そのためEC事業では、自社ECサイトへの集客をどのように行うのか、またAmazonや楽天市場とどのように差別化するのかが大きな課題となります。

その解決策の一つとして、多くの事業者は自社ECサイトと並行して、Amazonや楽天市場への出店・出品を行っています。ただし、Amazonや楽天市場に出店・出品すると手数料が発生するため、結果としてコストコントロールが厳しくなるという課題もあります。

筆者の知り合いの話ですが、とある大手企業の子会社がEC事業を立ち上げましたが、月にたった数点しか売れないため赤字状態が続いていると聞きました。このように大手企業の子会社であっても、ECの知見やノウハウがないと黒字化するのは容易ではないのです。そのため、EC事業においては集客とリピート購入を促す仕組みが必要となってくるのです。

ECサイトは大きくわけて4種類のタイプがある

EC事業におけるサイトの形態は一つではありません。現在のECサイトは、運営主体や販売方法の違いによっていくつかのタイプに分類でき、集客方法やコスト構造、利益の出しやすさは大きく異なります。

ここでは、ECサイトを大きく4つのタイプに分け、それぞれの特徴について解説します。

タイプ①自社ECサイト

自社ECサイトとは、企業が自社でECサイトを構築・運営し、商品を直接販売する形態です。例えば、ASP型のECカートを利用したり、パッケージECシステムをカスタマイズしたりしながら、自社の独自ドメイン上でショップを展開する形が一般的です。

◆自社ECサイト型のメリット・デメリット

メリット デメリット
・販売手数料がかからない
・顧客データ、購買履歴を自社で管理できる
・オムニチャネル施策を設計できる
・ブランドの世界観を自由に表現できる
・集客を自社で行う必要がある
・運営体制やマーケティングの知見が求められる
・成果が出るまでに時間がかかる

自社ECサイトの特長の一つは、販売手数料が発生しない点です。モール型ECと異なり、商品が売れても一定の販売手数料を支払う必要がなく、価格設定やキャンペーンなどの販売戦略を自社の判断で柔軟に設計できます。

また、顧客データや購買履歴を自社で蓄積できるため、メール配信や会員施策など、リピート購入を促すCRM施策につなげやすい点も強みです。

一方で、自社ECサイトでは集客を自社で行う必要があり、立ち上げ初期は、十分なアクセスを集められないため、SEOや広告、SNS運用など継続的なマーケティング施策が欠かせません。

こうした課題への対応策として、実店舗と連携したオムニチャネル施策が注目されています。自社ECサイトを軸に、在庫や会員データを統合することで、オンラインとオフラインを横断した購買体験を提供できます。

例えばユニクロでは、ECと実店舗の在庫を連携し、店舗在庫の確認や店舗受け取りを可能にしています。これにより、顧客の利便性向上とともに、企業側も在庫の有効活用や購買機会の最大化につなげています。

◆購入画面で「店舗受け取り」を訴求

ユニクロの購入画面

出典:ユニクロ公式オンラインストア

このように、自社ECサイト型は集客面では難易度が高いものの、長期的に見るとブランド価値や顧客データを自社資産として蓄積できるECモデルであり、EC事業を中長期で成長させたい企業に適した形態といえます。

タイプ②「楽天市場」型 (出店型)

このタイプは、楽天市場やYahoo!ショッピングなどのショッピングモールに店舗として出店し、商品を販売する形態です。自社でECサイトを構築する必要がなく、モールが提供する仕組みを利用して販売を行います。

◆楽天市場型(出店型)のメリット・デメリット

メリット デメリット
・モールが保有する大規模な集客力を活用できる
・出店後、比較的短期間で販売を開始できる
・楽天ポイントなどの経済圏を活かした販促が可能
・月額費用や販売手数料が発生する
・価格競争に巻き込まれやすい
・顧客データを自由に活用できない

楽天市場型の最大の特長は、圧倒的な集客力にあります。多くのユーザーが日常的に利用しているため、自社ECサイトと比較すると、出店直後から一定のアクセスを見込める点は大きな魅力です。

また、ポイントやセール企画、キャンペーン施策など、モール独自の販促施策を活用できる点も特徴の一つです。特に楽天市場では、ポイント還元を軸とした購買促進が強く、ユーザーの購入動機を作りやすい傾向があります。

◆楽天市場で定期開催されるポイントアップキャンペーン

楽天市場のお買い物マラソン

出典:【楽天市場】お買い物マラソン

一方で、このタイプでは月額出店費用や販売手数料が発生します。売上が伸びるほど手数料負担も増えるため、利益率のコントロールが難しくなるケースも少なくありません。

さらに、顧客情報は基本的にモール側が管理しており、自社ECサイトのように顧客データを自由に活用することはできません。そのため、リピート施策やCRM施策はモールの仕様に大きく依存することになります。

このように、楽天市場型は「集客のしやすさ」という大きな強みを持つ一方で、手数料やデータ活用の制約といった課題も抱えるECモデルです。自社ECサイトと併用し、販売チャネルの一つとして活用する企業も多く見られます。

タイプ③「Amazon」型 (出品型)

このタイプは、AmazonやZOZOTOWNなどのプラットフォーム上に商品単位で出品し、販売を行う形態です。楽天市場のように「店舗」として出店するのではなく、モールが用意した商品ページや販売導線を活用して販売します。

◆Amazon型(出品型)のメリット・デメリット

メリット デメリット
・国内最大級の購買ユーザーにリーチできる
・検索から購入までの導線が短い
・物流やカスタマー対応をモールに委託できる
・販売手数料がかかるため、利益率が下がりやすい
・商品単位での価格競争が激しい
・ブランド構築やファン化が難しい

Amazon型の最大の特長は、圧倒的な購買導線の強さにあります。商品検索から購入完了までの導線が非常に短く、ユーザーは商品を比較しながらスムーズに購入できます。そのため、自社ECサイトや出店型モールと比べても、購入率が高くなりやすい傾向があります。

また、AmazonではFBA(フルフィルメント by Amazon)を利用することで、在庫保管や配送、カスタマーサポートまでを一括で委託できます。これにより、少人数でもEC事業を運営しやすく、立ち上げ初期の負担を抑えられる点も魅力です。

一方で、Amazon型は商品単位での比較が前提となるため、価格競争が非常に激しくなります。類似商品が並列表示される構造上、ブランドよりも価格やレビューが重視されやすく、長期的なファン形成が難しい側面があります。

◆Androidタブレットの商品ページに表示される類似商品群

Amazonの商品ページに表示される類似商品群

出典:Amazon

ZOZOTOWNも同様に、プラットフォーム主導の販売モデルを採用しており、物流だけでなく商品撮影や採寸(ささげ業務)もモール側が代行してくれます。集客や販売力の面では非常に強い一方で、価格設定や販促の自由度は限定的であり、出品事業者はプラットフォームのルールに沿った運営が求められます。

そして、このタイプも販売ごとに一定の手数料が発生するため、売上規模が拡大するほど利益率への影響を考慮する必要があります。

このように、Amazon型(出品型)は、売りやすさとスピード感に優れたECモデルですが、利益率やブランド戦略には注意が必要です。自社ECサイトや出店型モールと役割を分け、販路拡大の一環として活用されるケースが多く見られます。

なお、Amazonの在庫管理・出荷方式であるFBA(フルフィルメント by Amazon)については、下記の記事で詳しくまとめておりますので、興味のある方はあわせてご覧ください。

関連記事:Amazon在庫管理の2つの方式と複数チャネルでの運用法

タイプ④TikTok Shop

TikTok Shopは、ショート動画プラットフォーム「TikTok」が提供するサービスで、 TikTokアプリ内で商品を発見し、そのまま購入手続きまで完結できるECプラットフォームです。ショッピング動画やライブ配信を通じて、ユーザーが気になる商品をその場で見つけ、購入までスムーズにつなげることができます。

◆TikTok Shopのメリット・デメリット

メリット デメリット
・動画を起点とした衝動購買を狙える
・広告と販売を一体で運用できる
・若年層へのリーチに強い
・安定した売上を作りづらい
・運用ノウハウがまだ確立途上にある
・商材との相性に左右されやすい
・一般的なECとは異なる運用ノウハウが必要

TikTok Shopの最大の特長は、TikTokのアプリから離れずに、商品を見つけてそのまま購入まで行えることです。従来のEC事業では、SNSや広告で興味を引き、外部のECサイトへ誘導するという動線が一般的でしたが、TikTok Shopでは発見と購買がひとつの体験としてつながっています。

また、ショート動画やライブ配信では、画面上に商品タグや購入リンクが表示され、視聴者が商品の特徴を動画で理解しながら購入ボタンをタップできます。このような購買体験は、他のタイプのECサイトとは異なる「視聴 → 購入」という新しい流れを作っています。

◆TikTok Shop

TikTokShop

出典:TikTok Shop

ただしTikTok Shopは、コンテンツ(動画・ライブ)との連動が前提となるため、従来のテキスト・画像中心のECと比較して、運用上の工夫が必要です。動画と連動した訴求設計や、プラットフォーム内での露出設計など、これまでのEC事業とは異なるノウハウが必要になります。

また、TikTokというプラットフォームに依存する形になるため、販路の一部として活用する企業が多い点も特徴の一つです。

とはいえ、短時間での発見や衝動的な購買機会をつくる点は大きな強みであり、動画訴求ができる商品ジャンルでは、他のECタイプとの差別化要素になります。

EC事業に向いている業界とは?5つの業界別に解説

ここでは、EC事業と相性が良い代表的な5業界を取り上げ、その理由と注意点を整理します。なお、各業界における2024年のEC化率は下記の通りです。

◆5つの業界のEC化率(2024年)

①アパレル業界:23.38%
②家電業界:43.03%
③家具・インテリア業界:32.58%
④書籍・映像・音楽ソフト業界:56.45%
⑤BtoB業界:43.1%

BtoC-ECの物販分野全体のEC化率が9.78%であることを考えると、①〜④のいずれの業界もEC利用が進んでいることがわかります。また、⑤BtoB業界についてもEC化率は堅調に推移しており、2019年の31.7%から、5年で10%以上伸長しています。

データ引用:経済産業省「令和6年度電子商取引に関する市場調査報告書」(2025年8月発表)

それでは、各業界ごとに詳しく解説いたします。

①アパレル業界(EC化率:23.38%)

アパレル業界は、かつて「試着ができない」ことから、EC事業との相性が悪い分野と考えられてきました。しかし近年では、バーチャル試着やサイズレコメンドなどの技術進歩に加え、店舗受け取り・店舗返品といったオムニチャネル施策が各社で進展しています。

その結果、ECと実店舗を併用する購買行動が一般化し、アパレル分野のEC化率は2024年時点で23.38%と高い水準に達しました。現在では、多くのアパレル企業が自社ECと実店舗を連携させた事業運営に取り組んでいます。

このようにアパレル業界では、ECと店舗を組み合わせた事業設計そのものが競争力となっていると言えます。

◆EC事業に向いている理由

・カラー、サイズ、型違いなどの商品バリエーションをEC上で整理して提示しやすい
・バーチャル試着やサイズレコメンドなどの技術進歩により、購入時の不安を軽減できる
・店舗受け取りや店舗返品などのオムニチャネル施策と相性が良い
・新作投入やセール情報などをタイムリーに発信しやすい
・実店舗とECを併用する購買行動が一般化している

◆注意点

・サイズ感や着用イメージの違いによる返品対応が発生しやすい
・商品ページの情報量(採寸・着用画像・素材説明など)が売上に影響する
・在庫連携が不十分な場合、欠品や過剰在庫につながりやすい
・セールやキャンペーン時に物流負荷が集中しやすい

②家電業界(EC化率:43.03%)

家電業界のEC利用率が高い大きな理由として、型番を指定して購入する「型番買い」という購買行動が一般化している点が挙げられます。

家電製品はメーカー名や型番、スペックが明確で、購入前にインターネット上で情報収集や価格比較を行うケースが多く見られます。そのため、実物を確認せずとも、仕様やレビューをもとに購入判断を行いやすいという特徴があります。

また、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は持ち帰りが難しく、配送や設置サービスを前提とした購入が一般的です。店舗で下見を行い、購入はECで行うといった行動も広く定着しています。

このように家電業界では、情報収集から購入・配送までをオンラインで完結しやすく、EC事業と相性の良い構造が整っています。

◆EC事業に向いている理由

・型番やスペックが明確で、オンラインで比較検討しやすい
・価格比較を前提とした購買行動が定着している
・レビューや評価が購入判断に大きく影響する
・大型家電は配送や設置を前提とするためEC利用と相性が良い
・周辺機器や消耗品など、追加購入につなげやすい

◆注意点

・初期不良や故障時のサポート体制が購買判断に影響しやすい
・設置工事やリサイクル回収など、配送条件が複雑になりやすい
・価格競争が激しく、利益率が下がりやすい
・メーカー保証や延長保証の案内を分かりやすく提示する必要がある

③家具・インテリア業界(EC化率:32.58%)

家具・インテリアといった商材は、実店舗においては展示スペースに限りがあるため、取り扱い可能な商品数やバリエーションがどうしても限定されますが、ECサイトであれば多くの商品を一覧で比較・検討できます。

また、ソファやベッド、収納家具などの大型家具は、自家用車での持ち帰りが難しく、配送を前提とした購買行動になりやすい点も特徴です。

このような商材の特徴に加え、家具量販店や大型ショールームは郊外に立地していることが多く、都心部では気軽に来店しづらいという側面があります。そのため、特に都市部の消費者を中心に、ECサイトを通じた購入ニーズが高まりやすい傾向があります。

◆EC事業に向いている理由

・店舗展示数に制約がある一方、ECでは商品数やバリエーションを豊富に掲載できる
・大型家具は持ち帰りが難しく、配送を前提とした購買行動になりやすい
・郊外立地の大型店舗に比べ、ECは場所を問わず商品を検討できる
・サイズ違いやカラー展開を一覧で比較しやすい

◆注意点

・サイズ違いや搬入不可による返品、再配送リスクが発生しやすい
・組立サービスや設置条件の案内が不十分だとクレームにつながりやすい
・色味や質感が写真と異なると感じられる場合がある
・送料や配送日数が購買判断に大きく影響する

④書籍・映像・音楽ソフト業界(EC化率:56.45%)

書籍・映像ソフト・音楽ソフトを扱う業界のEC化率は56.45%と非常に高く、主要な消費財の中でもEC利用が進んでいる分野です。

この業界がECに向いている理由は、家電製品同様に、どこで購入しても商品の品質が変わらない点にあります。書籍やBlu-ray、CDなどは内容が規格化されており、型番や商品名を指定した購入が行いやすい特徴があります。

また、作品のヒットによって関連商品の需要が急増しやすく、全国規模でその需要を取り込める点もECの強みです。加えて、比較サイトやレビュー、SNSを通じた情報収集が一般化しており、オンライン上で購入判断を完結しやすい購買構造が形成されています。

◆EC事業に向いている理由

・商品の品質や内容が規格化されており、購入場所による差がない
・ヒット作品の影響により関連商品の需要が急拡大しやすい
・比較サイトやレビュー情報が充実しており、購入判断を行いやすい
・店舗では扱いきれない膨大な数の商品を扱える

◆注意点

・ヒット作品への売上依存度が高く、需要変動が大きくなりやすい
・発売日直後など、短期間に注文が集中しやすい
・在庫確保や再入荷対応のスピードが重要となる

⑤BtoB業界(EC化率:43.1%)

BtoB業界におけるECとは、企業同士がインターネットを介して商品やサービスの売買を行う仕組み(企業間電子商取引)を指します。

従来の企業間取引は、電話やFAX、営業担当者を介した受発注が一般的でしたが、近年では、EC化により受発注プロセスをオンラインで完結できるようになっています。この仕組みは、受発注業務の効率化や業務コスト削減、取引の透明性向上といった価値を生むため、多くの企業で導入が進んでいます。

すでに述べたように、BtoB-EC市場は拡大傾向にあり、取引のオンライン化が進む背景には、企業がデジタルチャネルを通じた利便性やリアルタイムな情報管理を求める動きがあると考えられます。

◆EC事業に向いている理由

・定番商品や消耗品など、継続的な発注が発生する取引と相性が良い
・受発注業務をオンライン化することで、業務効率の向上が期待できる
・注文履歴や取引情報を活用し、再注文をスムーズに行える
・商圏に依存せず、新規取引先との接点を広げやすい

◆注意点

・取引先ごとに価格や支払条件が異なり、管理が複雑になりやすい
・承認フローや掛け払いなど、BtoCにはない要件への対応が必要となる
・既存の受発注業務フローからの移行に時間を要する場合がある
・基幹システムや在庫管理システムとの連携設計が重要になる
・セキュリティや権限管理など、企業取引特有の管理体制が求められる

EC事業を黒字化するための7つのポイント

それでは、EC事業を黒字化するために押さえておくべき主なポイントを解説いたします。

ポイント①EC業界の経験者を採用する

EC事業では、集客手法や売上の作り方に独自のノウハウが求められます。そのため、EC業界での実務経験を持つ人材を配置することで、立ち上げ後の試行錯誤を大きく減らせます。

ポイント②ECサイトのコストを抑える

EC事業は初期投資を抑えて始められる反面、システム費用が積み重なると利益を圧迫します。ECサービスには無料で利用を始められるものも多いため、自社の事業規模に合ったECサービスを選定し、固定費を抑えることが重要です。

ポイント③広告と併用してコストをかけずに集客する仕組みをつくる

広告だけに依存した集客は、継続的なコスト負担につながります。SEOやSNSの活用など、中長期的に集客できる仕組みを並行して構築することが重要です。

ポイント④リピート購入を促す

EC事業では、新規顧客の獲得に広告費がかかるため、初回購入だけで終わらせない仕組みづくりが欠かせません。購入履歴や顧客情報を活用し、継続的なコミュニケーションを行うことで、LTV(顧客生涯価値)を高めていく必要があります。

定期・単品通販に特化したカートシステム「スマレジEC・リピート」は、顧客情報や購買データをもとに、リピート購入を促す施策を実行しやすくする仕組みです。定期購入やステップメールの配信、顧客ごとの購買傾向に応じたアプローチを行うことで、リピート促進による売上の安定化を実現します。

スマレジEC・リピート 公式サイト

ポイント⑤口コミ・レビューを促進して、良い評判を形成する

ECサイトでは実物を手に取ることができないため、購入者の口コミやレビューが意思決定に大きく影響します。そのため、レビュー投稿の導線を整え、信頼性の高い情報を蓄積していくことが重要です。

なお、口コミやレビューは必ずしもポジティブな意見だけでなく、改善点などのネガティブな意見も公開していくことがポイントです。これにより、かえって自社に対する信頼感・安心感につながります。

ポイント⑥販売チャネルを増やす

自社ECサイトだけでなく、Amazonや楽天市場などの外部チャネルを併用することで、販売機会を広げられます。チャネルごとの特性を活かしながら、役割分担を行うことがポイントです。

ポイント⑦複数チャネルの在庫連携を行う

複数の販売チャネルを運営するEC事業では、在庫管理が分断されやすくなります。自社ECサイト、Amazon、楽天市場、実店舗などを個別管理していると、在庫数のズレによる欠品や過剰在庫が発生しやすくなります。

このような課題を解消する手段として、在庫情報をまとめて管理できる一元管理システムの活用が有効です。

例えば、クラウド型EC管理システム「スマレジEC・一元管理」では、複数チャネルに分散した在庫や受注情報をまとめて管理することができます。在庫情報をリアルタイムで連携することで、販売機会の損失を防ぎながら、在庫回転率の改善にもつなげることができます。

EC事業を拡大していく過程では、チャネルが増えるほど管理負荷も増大するため、早い段階から一元管理の仕組みを整えておくことが、安定した運営と黒字化を支える重要なポイントとなります。

スマレジEC・一元管理 公式サイト

EC事業における3つの「よくある失敗体験」

EC事業を実際に進めていくと、運営体制や判断を誤ったことで、十分な商品力がありながら成果につながらないケースも多く見られます。ここでは、EC事業の現場でよくある3つの失敗体験を紹介します。

失敗体験①ECの素人だけでEC事業をおこなってしまう

EC事業は、商品を並べれば自然に売れるほど単純ではありません。集客や価格設計、販促施策など、EC特有のノウハウが求められます。そのため、経験のないメンバーだけで運営を始めてしまうと、試行錯誤に時間を費やし、思うように成果が出ないままコストだけが増えてしまうリスクもあります。

理想はECでの実績を持つ人材を担当に据えることですが、難しい場合は、伴走型のコンサルなど外部支援を活用するのも有効な選択肢です。

失敗体験②ECのノウハウがないまま独自開発を選んでしまう

EC事業の立ち上げにあたり、自社に最適なシステムを構築しようと、独自開発を選択する企業も少なくありません。しかし、ECの運営ノウハウがない状態での独自開発は、非常にリスクが高い判断と言えます。

「開発会社に依頼すれば安心」と考えがちですが、ECサイト構築の実績がない開発会社に依頼した場合、実運用を想定していない使いづらいシステムが完成してしまうケースもあります。その結果、必要な機能が不足し、運用開始後に大幅な改修が必要になることも少なくありません。

現在のECプラットフォームは、商品管理や決済、在庫管理、販促機能など、EC運営に必要な基本機能があらかじめ充実しています。自社で構築する場合でも、まずはこのような既存プラットフォームを活用することが、リスクを抑えた現実的な選択です。

また、ベンダーに開発を依頼する際には、単なるシステム開発実績ではなく、ECサイト構築の実績や運用ノウハウを持つ会社かどうかを重視することが大切です。

失敗体験③運営も集客もすべて業者に委託してしまう

業務効率化を目的に、運営や集客を外部業者へ委託するケースもありますが、最初からすべてを任せきりにすると、自社にノウハウが残りません。また、自社で一定の運営経験を積まなければ、施策の良し悪しを判断できず、業者を適切に評価することも難しくなります。

まずは自社で運営を行い、必要に応じて外部に任せる範囲を段階的に広げていきましょう。

ECサイトで重要なことは「初回購入」と「リピート購入」

EC事業では、どれだけ多くのユーザーを集客できたとしても、初回購入に至らなければ売上は発生しません。そして、初回購入がなければ、その後のリピート購入も生まれません。特にECサイトでは、一度購入せずに離脱したユーザーを再び呼び戻すことは難しく、多くの場合、高い広告コストが必要になります。

そのため、まずは下記のような施策を実施して、初めて訪れたユーザーの初回購入を確実に成功させることが何より重要になります。購入体験に不安やストレスがあると、商品や価格に魅力があっても、ユーザーは購入をためらってしまいます。

◆初回購入を成功させるための主な施策例

・商品情報や写真を充実させ、購入前の不安を減らす
・送料や返品条件、支払い方法を分かりやすく明示する
・購入導線をシンプルにし、入力項目を最小限に抑える
・レビューや実績など、安心材料を適切に提示する
・初回限定クーポンやキャンペーンを活用する
・チャットボットやFAQで疑問をすぐに解消できる仕組みを作る

初回購入が成立したあとは、次のステップとしてリピート購入を促す仕組みを作ります。リピート購入が増えるほど売上は安定し、広告への依存度も下げることができます。

◆リピート購入を促すための主な施策例

・購入履歴に応じたメールやLINE配信を行う
・定期購入やまとめ買いなど、継続しやすい仕組みを用意する
・次回購入につながるクーポンや特典を設計する
・会員ランクやポイント制度などのインセンティブを活用する
・購入後フォローを行い、顧客との接点を継続的に持つ

このように、EC事業においては「初回購入」と「リピート購入」を分けて考え、それぞれに適した施策を設計することが、EC事業の成長にとって非常に重要なポイントになります。

リピート購入を支える「スマレジEC・リピート」でEC事業の成長を実現

EC事業を黒字化し、安定的に成長させていくためには、単発の売上を積み上げるだけでは不十分です。重要なのは、初回購入を起点として、継続的なリピート購入につなげることです。

定期通販・単品通販に特化した「スマレジEC・リピート」は、リピート購入を促すための多くの機能を搭載したCRMに強いカートシステムです。定期購入や継続課金への対応はもちろん、購入後のフォローや顧客ごとのアプローチを仕組みとして構築できる点が特長です。

新規集客にかかる広告費が高騰するなか、EC事業を持続的に成長させるためには、新規顧客を増やすだけでなく、既存顧客との関係を深める視点がますます重要になっています。

EC事業のリピート施策に課題を感じている方は、まずはスマレジEC・リピートの公式サイトから無料でダウンロードできる資料をご確認いただき、お気軽にお問い合わせください。

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