受発注業務における課題は?
受発注業務の効率化を図るためには、手間を増加させている課題に対処する必要があります。以下はその代表的な課題と、それに対するアプローチです。
人的ミスのリスクが常につきまとっている
人的ミスのリスクは、昔ながらの手作業や目視、伝聞などで受発注業務を行う場合に常に懸念されます。数量の転記ミスや商品名の誤りなどが起きる可能性や、同時期に複数の注文を受けて内容を混同するなど、さまざまなケースが考えられます。ヒューマンエラーを完全にゼロにすることは難しいため、いつでも発生する可能性があると認識し、適切な対策が必要です。
人的ミスのリスクを低減するための手段としては、ダブルチェックが挙げられますが、これには追加の人手が必要です。チェック体制を強化することで人件費が増加し、それが受発注業務のコストアップに繋がってしまう可能性があります。企業は簡単にコストを増やすわけにはいかないため、現行の従業員だけで対処しようとすることが一般的です。しかし、これが原因で人手不足の状況に陥りやすくなるという課題も浮かび上がります。
業務が属人化している
企業では、適材適所により役割分担が行われることが一般的です。しかし、業務の属人化は手間を増加させる可能性があるため、注意が必要です。たとえば、請求業務を進められる従業員が社内に1人しかいない場合、その担当者が不在の際には受発注のプロセスが停滞してしまいます。もし担当者が一般的な方法で業務を処理していれば、他の従業員が代行することも難しくはありませんが、特殊な方法が使用されている場合は進め方が理解できず、業務がストップすることがあります。特定の従業員の欠席や早退により、受発注業務が滞ってしまうと企業の効率が低下します。
この問題を回避するためには、誰でも参照できるマニュアルを作成することが一つの解決策となります。ただし、ベテラン社員が独自の方法で業務を進めている場合、その人に属人化してしまうとマニュアルが活用されなくなる可能性が高まります。このような状況では、代行する際に理解が難しくなり、業務の円滑な継続が妨げられる可能性があります。
人・システムの連携が不足している
業務を効率的に進めるためには、部門間での従業員やシステムの連携が非常に重要です。特に受発注業務では多くの部署が関与するため、連携が不足していると大きな課題となり得ます。例えば、各部署が異なるシステムを使用している場合、処理のたびにデータの移し替えや変換が必要になります。システム同士が互換性がなかったり、基本的なフォーマットが異なっていたりすると、データの手入力が必要になることもあります。このような状況は、前述のようなミスの発生につながる可能性があります。
さらに、別々のシステムに登録されたデータを突き合わせる場合、目視で照合するには一覧表を印刷する必要があります。もしシステム同士が十分に連携できていれば、手間や紙のコストを削減できるだけでなく、ミスが発生するリスクも低減します。言い換えれば、連携が不十分なために、無駄や失敗のリスクを含む作業が増加している可能性があると言えます。連携を徹底することで、業務プロセスをスムーズにし、組織全体の生産性向上に寄与します。